【天皇杯決勝】甲府vs広島

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天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 決勝

たもさん。
たもさん。

決勝@日産スタジアム

2022年10月16日(日)「日産スタジアム」で行われた「天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会」決勝の「ヴァンフォーレ甲府 vs.サンフレッチェ広島」を現地観戦🏆

「元日決戦」でも「国立開催」でもなかった試合だったのですが、日本サッカー史に新たな伝説が生まれた瞬間を観られて本当に最高でした⚽

クラブの歴史を塗り替える続ける快進撃で史上初の決勝進出を果たした「ヴァンフォーレ甲府」。「北海道コンサドーレ札幌」「サガン鳥栖」「アビスパ福岡」、そして最多優勝5回の「鹿島アントラーズ」とJ1の4チームを破って、ついに決勝の地・横浜へとたどり着きました🏟

22年前の2000年のJ2リーグで「19連敗(26戦未勝利)」という不名誉な記録(現在も連敗記録は破られてない)を持っている地方のJクラブが、奇跡的な天皇杯初優勝を成し遂げました🏆

地元・山梨から横浜に駆け付けた応援バスツアー20台以上、およそ2万人のファン・サポーター。青赤で彩られたゴール裏は、青いベンチ席なので人がいない席もコレオグラフィしている感があり、なかなか壮観でした。

長い天皇杯の歴史の中、前身の「東洋工業」では3回の優勝(1965,1967,1969年)をしていますが、Jクラブ「サンフレッチェ広島」となってから天皇杯を優勝していません。過去5回も決勝進出をしているのですがすべて準優勝。今大会、悲願の初優勝を目指します。

そして甲府と広島はゆかりのある選手が多くおり、甲府でキャリアをスタートさせ、広島で活躍している選手が4選手も在籍しています。「柏好文」「佐々木翔」「今津佑太」。「野津田岳人」は昨シーズンに期限付き移籍で甲府に在籍して41試合2ゴールとキャリアハイとなる出場試合記録を残す活躍。広島に復帰してからは好調なプレーをしています。

風林火山 vs. 三矢之戒

2022年10月16日(日)14:04KO
⚽ヴァンフォーレ甲府 1-1(PK5-4) サンフレッチェ広島

🗾カシマサッカースタジアム
🎫37,998人
甲府:三平 和司 (26分)
広島:川村 拓夢 (84分)
出典:スカパー!サッカー

【甲府】奇跡の天皇杯初制覇

クラブ史上初となる天皇杯決勝を果たした「ヴァンフォーレ甲府」。しかしJ2では7連敗で18位とぎりぎりで残留を決めている今シーズン。でも天皇杯では負けない。というかここ3ヶ月は天皇杯しか勝てていないという不思議なチーム事情の中、ようやく決勝の地へたどり着きました。

「ヴァンフォーレ甲府」は、J開幕後として天皇杯名物の史上最大級の「ジャイアントキリング」チャンスとなりました。しかし鹿島との準決勝でゴールを決めた「宮崎純真」の活躍を期待してましたが、試合の3日前のトレーニングで負傷したことによりメンバー外は残念。

吉田達磨監督が送り出したイレブンは、広島の攻撃をしっかりと受け止めて、得点のチャンスを狙ってました。試合序盤は広島が押し込み、甲府サイドでのハーフコートサッカーの様相に。甲府は想定通り準決勝と同じように「5ー4ー1」の守備陣形で広島の攻撃を待ち構える。前半での被シュートは1本と粘り強い守備で決定機を作らせませんでした。

そんな中、長谷川元希がショートコーナーから入れたクロスから三平和司が先制ゴール。決勝用にデザインされたコーナーキックから見事に決めたのです。アフロヘアで前線のターゲット役として1トップを務める三平。初優勝へ、その大きな一歩を踏み出したのでした。

後半に広島の反撃を受けるが集中した守備でゴールを許さない。しかし84分、左のニアゾーンに侵入してきた川村拓夢の強烈なシュートで同点にされてしまいます。

そして延長戦に突入、そこでさらなるドラマチックな展開が…延長後半3分に守備の要としてプレーしてきた浦上仁騎が負傷によりプレー続行不能に。代わってピッチに入ったのは、甲府を長年支えてきた「山本英臣」でした。

甲府在籍歴20年、2度のJ1昇格と3度のJ2降格の生き証人であるレジェンドは、この大一番でサッカー人生、最大級のミスを犯してしまいます。悪夢のようなハンドによるPK献上。「もうこのままやめようかな…正直、自分の人生が終わったな」と試合後に語った山本英臣。

しかしこの絶体絶命な甲府のピンチでしたが、満田誠のキックをキーパーの河田晃兵がビッグセーブ。こんなことが起きてしまうのが天皇杯決勝という舞台なのか…目の前で凄い試合を観ることが出来ていることに全身全霊で震えてしまいました。

120分の激闘を終えPK戦に臨む両チーム。現地観戦は分からなかったのですが、PK戦を前にした円陣を捉えていたテレビ中継では、吉田達磨監督が楽しそうにキッカーの順番を選手たちに伝えている姿が映し出されていました。純粋にサッカーを楽しむ雰囲気で、柏レイソルの育成組織を作り上げてきた彼の人柄が凝縮された良い光景でした。

これとは対照的に広島の円陣は、スキッベ監督が挙手でキッカーを指名しており、責任感を持った選手たちが手を上げていました。その中でもっとも神妙な顔をしていたのが川村拓夢。この流れでのPK戦。甲府が歴史的、奇跡的、そしてドラマチックな形での初優勝を成し遂げるのでした。

【広島】劣悪なピッチコンディションに苦戦

公式記録には「全面良芝」と記載されてますが、どこが良芝なのと思いたくなる?ピッチはいたるところに痛んでいて、ボコボコの状態。4日前に行われた「横浜F・マリノスvsジュビロ磐田」で使用からさらにひどくなっているようで、決勝の舞台としては厳しいピッチコンディションになっていました。

そんなピッチでは、広島のパスワークが効果的に出来ない様子。3バック間でのパス回しでさえ不用意に浮いてしまうので、受け手のプレーに影響が出ている様子が何度も見受けられました。リーグ優勝を目前まで迫った横浜F・マリノスが、ガンバ大阪戦とジュビロ磐田戦でホームでの連敗をしてしまったのも、このピッチが大きく影響したんだろうと思えてなりません。

広島は10月8日にノエビアスタジアムでのヴィッセル神戸戦でも柔らかいピッチに苦戦してました。キーパーの大迫敬介は足首を負傷してしまうほどのミスキック。ノーゴール4失点で敗れてしまいました。決勝で対戦した甲府は、もっと厳しい環境下でJ2を41試合も戦ってきたという経験や自信の差が、実力の差を縮めた大きな要因になったのではと思ってしまいました。

試合が進むにつれてさらにボコボコなるピッチで、終了間際に川村拓夢が同点にします。しかしこのゴールをアシストしたエゼキエウが負傷となり、5名の交代枠を使い切っていた広島は、延長まで追加の交代が出来ない状況に。残りの時間、足をかばいながらもピッチに立つエゼキエウ。90分を戦い抜いた両チームの選手たちは疲労困憊な状態に。そして試合は延長戦へ…

前半シュート1本だったのですが、後半で7本、延長前後半で6本と甲府ゴールを目指しました。しかしそれほどの決定機な場面があったようには思えませんでした。甲府のペナルティエリアを9人で守る牙城を崩すことなく、時間だけが進みました。

延長戦に入るとPK戦に持ち込もうとする甲府の守備ブロックがさらに強化。120分での決着をつけたい広島に訪れた千載一遇のチャンスが舞い込みます。延長後半3分、満田の蹴ったボールが山本のハンドとなりPKを獲得。

これを満田が決めれば広島の初優勝が決まる。誰もがそう思った次の瞬間、河田のビッグセーブに止められしまった。荒れたピッチ上で走り回った満田のキックの勢いが…大卒ルーキーが背負った重圧は想像を絶するものだったに違いない。

そしてPK戦では同点ゴールを決めた川村が河田にセーブされての敗戦。5人目のキッカーを務めた満田は決めたものの、PK4-5で悲願の天皇杯初優勝は叶わず。試合終了後、号泣する満田と川村の姿。サンフレッチェ広島の若武者のさらなる活躍に期待したいです。

V甲府 いざアジアの舞台へ

クラブ史上初となる決勝進出を果たした「ヴァンフォーレ甲府」🏆いざ、アジアの舞台へ「アジアチャンピオンズリーグ」が待っています。

しかし歓喜の優勝から翌々日、吉田達磨監督の退任のニュースが飛び込んできました。歴史的なジャイアントキリングを成し遂げたものの、J1昇格を目指すチームを作れなかったという評価だったようですが、とても残念でならない。どんな戦術でACLでの戦いを演出するのかを楽しみにしていたのですが…😢

出典:ヴァンフォーレ甲府 公式ホームページ

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