Jリーグ 昇格プレーオフ その歴史を振り返る

【12/2更新】
12月2日に国立競技場で行われた「２０２３ Ｊ１昇格プレーオフ決勝」で勝利した「東京ヴェルディ （Ｊ２ ３位）」が2008年以来、16シーズンぶりとなるＪ１復帰を決めました。

11月25日と26日に行われた「２０２３ Ｊ１昇格プレーオフ準決勝」の結果により決勝の組み合わせが、「東京ヴェルディ （Ｊ２ ３位） vs 清水エスパルス（Ｊ２ ４位）」に決定いたしました。

残り１枠となったＪ１昇格をかける決勝は、12月2日(土)14:05キックオフ＠国立競技場で行われます。

2023年11月12日、Ｊ２リーグの最終節のホイッスルが鳴らされました。リーグ戦の順位により「２０２３ Ｊ１昇格プレーオフ」の出場チームと準決勝の組み合わせが決定しました。

2023シーズンの「Ｊ１昇格プレーオフ」は、Ｊ２リーグ年間順位３位から６位の４チーム。各チームは1試合のトーナメントを戦い、優勝したチームがJ1に昇格します。

プレーオフ出場を決めたのは、Ｊ２ ３位「東京ヴェルディ」４位「清水エスパルス」５位「モンテディオ山形」「ジェフユナイテッド千葉」の４チーム。準決勝は11月25日と11月26日、決勝は12月2日に行われます。

栄光と挫折が凝縮されたドラマチックなJ1昇格へのプレーオフ。その歴史をまとめました📝

2022年度（令和4年）

2022 J1参入プレーオフ

「J1参入プレーオフ」は、2018シーズン以降にＪ１昇格プレーオフの勝者とＪ１の16位のチームよる入れ替え戦を行っていました。Ｊ２リーグ戦全日程終了後、最大５チームによるトーナメント方式でＪ１参入チームの座を争います。

試合方式および勝敗の決定は、１回戦と２回戦と90分間（前後半各45分）の試合を行い、勝敗が決しない場合は、年間順位の優位性を確保するため、Ｊ２年間順位の上位チームを勝者となります。

決定戦は、90分間（前後半各45分）の試合を行い、勝敗が決しない場合は、Ｊ１年間順位16位のチームが勝者となります。決定戦の勝者は、来シーズンにＪ１に残留または昇格します。

Ｊ２ 4位のロアッソ熊本が、１回戦で5位 大分トリニータと２回戦で6位 モンテディオ山形と対戦し引き分け。大会規定により決定戦に勝ちあがりましたが、Ｊ１ 16位の京都サンガF.C.と引き分けて、京都サンガF.C.のJ1残留が決定しました。

１回戦 ロアッソ熊本 vs 大分トリニータ

１回戦 ファジアーノ岡山 vs モンテディオ山形

２回戦 ロアッソ熊本 vs モンテディオ山形

決定戦 京都サンガF.C. vs ロアッソ熊本

2019年度（令和元年）

2019 J1参入プレーオフ

Ｊ２ ４位の徳島ヴォルティスは、５位のヴァンフォーレ甲府と引き分け、６位のモンテディオ山形に勝利して、決定戦に進出しました。

Ｊ１ １６位の湘南ベルマーレとの試合は引き分けとなりましたが、大会規定により湘南ベルマーレがＪ１に残留することが決まりました。

１回戦 徳島ヴォルティス vs ヴァンフォーレ甲府

１回戦 大宮アルディージャ vs モンテディオ山形

２回戦 徳島ヴォルティス vs モンテディオ山形

決定戦 湘南ベルマーレ vs 徳島ヴォルティス

2018年度（平成30年）

2018 J1参入プレーオフ

Ｊ２ 4位にＪ１ライセンスを持っていなかったFC町田ゼルビアが入ったため、Ｊ２から３チームとＪ１の16位による変則的なプレーオフが行われました。

Ｊ２ ６位の東京ヴェルディは、５位 大宮アルディージャと３位 横浜ＦＣを下して決定戦に勝ち上がりました。決定戦はＪ１ １６位のジュビロ磐田が勝利して、ジュビロ磐田のＪ１残留が決まりました。

１回戦 大宮アルディージャ vs 東京ヴェルディ

２回戦 横浜FC vs 東京ヴェルディ

決定戦 ジュビロ磐田 vs 東京ヴェルディ

2017年度（平成29年）

2017 J1昇格プレーオフ

「J1昇格プレーオフ」は、翌シーズンのＪ１リーグに参入するチームを決定するためのプレーオフです。2012シーズンから2017シーズンまで実施されていました。

2012シーズン以降、「Ｊ１年間順位下位３チームが自動降格」というルールはそのままとされ、Ｊ２からの自動昇格するチーム数を３チームから２チームに減少しました。残りの１チームは、Ｊ２年間順位の３位から６位までのトーナメント方式によって争われました。

Ｊ２ ３位の名古屋グランパスが、６位のジェフユナイテッド千葉を破って決勝に進出。４位のアビスパ福岡と引き分けて、名古屋グランパスがＪ１昇格を決めました。

準決勝 アビスパ福岡 vs 東京ヴェルディ

準決勝 名古屋グランパス vs ジェフユナイテッド千葉

決勝 名古屋グランパス vs アビスパ福岡

2016年度（平成28年）

2016 J1昇格プレーオフ

2015シーズンのJ1昇格プレーオフで昇格を逃したセレッソ大阪。２シーズン連続で昇格プレーオフに出場したＪ２ ４位のセレッソ大阪が、５位の京都サンガF.C.と引き分けて決勝に進出。

決勝は３位 松本山雅FCを破った６位のファジアーノ岡山に勝利して、セレッソ大阪がJ1昇格を決めました。

準決勝 松本山雅FC vs ファジアーノ岡山

準決勝 セレッソ大阪 vs 京都サンガF.C.

決勝 セレッソ大阪 vs ファジアーノ岡山

2016 J2・J3入れ替え戦

「J2・J3入れ替え戦」は、J2リーグとJ3リーグとの間で行われた入れ替え戦で、2014年から2016年まで行われました。

試合形式は90分間(前後半各45分)の試合を行い、勝敗が決しない場合は引き分け。
入れ替え戦の勝者は２試合の勝利数が多いチーム。勝利数が同じ場合は、得失点差、アウェイゴール数、第2戦終了時に30分間(前後半各15分)の延長戦、PK方式 の順によって決定します。

ツエーゲン金沢 vs 栃木SC

２試合とも勝利したツエーゲン金沢がＪ２残留を決め、敗れた栃木ＳＣはＪ２昇格を果たせませんでした。

2015年度（平成27年）

2015 J1昇格プレーオフ

Ｊ２ ４位のセレッソ大阪が５位 愛媛ＦＣと３位のアビスパ福岡が６位のＶ・ファーレン長崎と準決勝を戦い、セレッソ大阪とアビスパ福岡が決勝に勝ち上がりました。

決勝は1-1の引き分けとなり、年間順位上位のアビスパ福岡が、2011年以来５シーズンぶりとなるＪ１昇格を決めました。

準決勝 セレッソ大阪 vs 愛媛FC

準決勝 アビスパ福岡 vs Ⅴ・ファーレン長崎

決勝 アビスパ福岡 vs セレッソ大阪

2015 J2・J3入れ替え戦

２戦とも勝利したFC町田ゼルビアが2012年以来４シーズンぶりとなるＪ２に復帰しました。

敗れた大分トリニータは過去にＪ１に在籍、そして国内三大タイトル(ナビスコカップ)を獲得しているチームとして初めてのＪ３降格となりました。

大分トリニータ vs FC町田ゼルビア

2014年度（平成26年）

2014 J1昇格プレーオフ

Ｊ２ ５位に入ったギラヴァンツ北九州がＪ１ライセンスを保有していなかったため、３チームによるプレーオフが行われました。６位のモンテディオ山形が４位のジュビロ磐田と３位のジェフユナイテッド千葉を破り、2011年以来４シーズンぶりとなるＪ１昇格を決めました。

モンテディオ山形のゴールキーパー「山岸範宏」は、準決勝のジュビロ磐田で決勝ゴールを決め、決勝では無失点勝利に貢献しました。このプレーオフでの活躍により、彼は「山の神」と呼ばれることになりました。

準決勝 ジュビロ磐田 vs モンテディオ山形

決勝 ジェフユナイテッド千葉 vs モンテディオ山形

2014 J2・J3入れ替え戦

Ｊ２ ２１位のカマタマーレ讃岐が１勝１分としてＪ２に残留。敗れたAC長野パルセイロは初のＪ２昇格を逃しました。

カマタマーレ讃岐 vs AC長野パルセイロ

2013年度（平成25年）

2013 J1昇格プレーオフ

Ｊ２ ４位の徳島ヴォルティスが、５位のジェフユナイテッド千葉と引き分けて決勝に進出。決勝では３位の京都サンガF.C.を破って初のＪ１昇格を決めました。

準決勝 京都サンガF.C. vs Ⅴ・ファーレン長崎

準決勝 徳島ヴォルティス vs ジェフユナイテッド千葉

決勝 京都サンガF.C. vs 徳島ヴォルティス

2013 J2・JFL入れ替え戦

２試合で１勝１分としたカマタマーレ讃岐が初のＪ２昇格。敗れたガイナーレ鳥取は2011年から３シーズン在籍したＪ２からＪ３へ降格しました。

なお、2014年度からＪ２の下部リーグとしてＪ３が設立される予定であったことから、Ｊ２からの自動降格および入れ替え戦に負けたチームはＪＦＬに降格(残留)ではなく、Ｊ３に降格(移行)することになっていました。そのため、大会名が「Ｊ２・ＪＦＬ入れ替え戦」となっています。

ガイナーレ鳥取 vs カマタマーレ讃岐

2012年度（平成24年）

2012 J1昇格プレーオフ

Ｊ２ ６位だった大分トリニータが３位の京都サンガF.C.と５位のジェフユナイテッド千葉に勝利して、2009年以来４シーズンぶりとなる２回目のJ１昇格を決めました。

準決勝 横浜FC vs ジェフユナイテッド千葉

準決勝 京都サンガF.C. vs 大分トリニータ

決勝 大分トリニータ vs ジェフユナイテッド千葉

2008年度（平成21年）

2008 J1・J2入れ替え戦

1999から2003シーズンは、Ｊ１とＪ２による２部制において、Ｊ１年間成績下位２チームとＪ２の年間成績上位２チームが自動で入れ替えていました。

しかし、2005シーズンからはＪ１を１６チームから１８チームに拡大することになり、2004シーズンから2008シーズンまでは「J1・J2入れ替え戦」が行われました。

ジュビロ磐田 vs ベガルタ仙台

J１ １６位のジュビロ磐田が、Ｊ２ ３位のベガルタ仙台に１勝１分としてＪ１残留しました。なお、第2戦がジュビロ磐田の「名波 浩」にとって現役最後の試合(出場なし)ともなりました。

2007年度（平成19年）

2007 J1・J2入れ替え戦

サンフレッチェ広島 vs 京都サンガF.C.

京都サンガF.C.が１勝１分として１シーズンで３度目となるＪ１への復帰を決めました。サンフレッチェ広島は2003年以来、２度目のＪ２降格となりました。

2006年度（平成18年）

2006 J1・J2入れ替え戦

アビスパ福岡 vs ヴィッセル神戸

第１戦と第２戦とも引き分けとなりましたが、ヴィッセル神戸がアウェーゴールを決めたことにより１シーズンでのＪ１復帰が決定しました。アビスパ福岡は１シーズンでのＪ２降格となりました。

2005年度（平成17年）

2005 J1・J2入れ替え戦

柏レイソル vs ヴァンフォーレ甲府

ヴァンフォーレ甲府が２戦勝利して初のＪ１昇格を決め、柏レイソルは初のＪ２降格となりました。

第１戦では試合終了間際の後半終了間際に停電のため照明塔が消えて35分間にわたり試合が中断。第２戦は甲府のバレーが６ゴール決め、当時の1試合での個人最多ゴールとなるなど、劇的な入れ替え戦となりました。

2004年度（平成16年）

2004 J1・J2入れ替え戦

Ｊ１ １６位の柏レイソルが２試合勝利してJ１残留が決定。アビスパ福岡は2001年以来4シーズンぶりのＪ１復帰とはなりませんでした。

柏レイソル vs アビスパ福岡

1998年度（平成10年）

J1参入決定戦

「J1参入決定戦」は、1999年にＪリーグが２部制を導入するのに合わせ、Ｊ１とＪ２にチームを振り分けるために開催されたトーナメント戦です。

１回戦のアビスパ福岡と川崎フロンターレの試合は、延長Ｖゴールでの決着となるというドラマティックな試合だったこともあり、のちに『神を見た夜』あるいは『博多の森の悲劇』と呼ばれています。

ヴィッセル神戸が２勝０負で翌99年度のＪ１への参入が決定し、敗れたコンサドーレ札幌は第3参入クラブ決定戦へ。

ジェフユナイテッド市原が２勝０敗で翌99年度のＪ１への参入が決定し、敗れたアビスパ福岡は第3参入クラブ決定戦へ。

そしてアビスパ福岡は２勝０敗で翌99年度のＪ１への昇格を決め、敗れたコンサドーレ札幌はＪ２への参入が決定しました。

１回戦 アビスパ福岡 vs 川崎フロンターレ

２回戦① ジェフユナイテッド千葉 vs アビスパ福岡

２回戦① コンサドーレ札幌 vs ヴィッセル神戸

第３参入クラブ決定戦 コンサドーレ札幌 vs アビスパ福岡