新型コロナウイルスとも戦ったアビスパ
アビスパ福岡 苦肉の秘策💦
2022年8月3日「ノエビアスタジアム神戸」で行われた「JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第1戦」の「ヴィッセル神戸vs.アビスパ福岡」⚽
アビスパ福岡はチーム内における新型コロナウイルスの影響でベンチ入りメンバーが4人。しかもゴールキーパーの杉山力裕と山ノ井拓己が控えメンバーという緊急事態でアウェイの地・神戸に乗り込みました。
試合は0対2と福岡がリードした後半アディショナルタイムに衝撃的な出来事が起きました。すでに前嶋洋太とジョルディ クルークスを後半途中に交代出場。
プレーが続けられなくなった城後寿に代わって、福岡・長谷部茂利監督はゴールキーパーの「山ノ井巧己」をフィールドプレーヤーとしてピッチに送り出したのでした。
限られたメンバーで戦うことを余儀なくされた長谷部監督の苦肉の策。緊急事態の中、投入された山ノ井は最前線でのプレスを託される。積極的に前線でボールを追いかける山ノ井は、大崎玲央のミドルシュートへ果敢にブロックを見せるなど、長谷部監督からのミッションに応えるべくプレー。
何とか逃げ切りたい福岡でしたが、試合終了間際に大迫勇也にアウェイゴールを決められてしまいましたが、1-2での勝利したのでした。出場可能なメンバーで戦い抜いた福岡、第2戦ではどんな結末が待っているのか。
⚽ヴィッセル神戸 1-2 アビスパ福岡
🗾ノエビアスタジアム神戸
🎫5,647人
神戸:大迫勇也(90+9分)
福岡:ジョン マリ(44分)ルキアン(58分)
「山ノ井 拓己」って誰だ?!
この試合、最大の話題となった「山ノ井 拓己」(やまのいたくみ)って誰だ?!
その経歴を調べると、山ノ井選手は千葉県長生村出身で、小2から「長生マリンズFC」でサッカーを始め、中学時代には「ジェフユナイテッド千葉Uー15」でプレー後、「静岡学園高校」に進学。
そして2017年に当時J2の「アビスパ福岡」に加入。2020年12月20日のJ2第42節の「アビスパ福岡vs徳島ヴォルティス」でJリーグ初出場を飾っています。(もちろんゴールキーパーで)
山ノ井 拓己
Takumi YAMANOI
背番号:21
生年月日:1998年10月25日
身長/体重:185cm / 80kg
出身地:千葉県
長生マリンズFC→ジェフユナイテッド千葉U-15→静岡学園高
「山ノ井巧己」今大会のルヴァンカップ3試合目の出場が、ゴールキーパーでなく、フィールドプレイヤー、しかもフォワード選手として出場するという記憶にも記録にも残ることに。「90’+4 福岡 21 山ノ井拓己選手 フィールドプレーヤーとしてプレー」という公式な記録が残されました📝
長谷部監督から指示を受けている山ノ井選手を見て不思議に思ったのは、フィールドプレーヤー用のユニフォームを着ていたことでした。これについて試合後のインタビューで答えていました。
「神戸遠征に来て仲間数人が離脱してしまった。フィールドプレーヤー用の自分のユニホームは、昨日か一昨日に作られ、届いたのは今日でした。」
山ノ井選手をフィールドプレーヤーとして出場する準備をしていたんですね。さすがのチームマネジメント力。そしてインタビューの最後には自身の出場、そして新型コロナウイルスの対策に翻弄されているJリーグの現状にも言及しました。
「注目されるのはうれしいが正直、こういう運営の中でやるのは選手としてどうかなと思う。川崎フロンターレもきつい中で試合をした。うちは勝てたからよかったが、Jリーグには訴えかけたい。」
この試合の4日前、7月30日に行われた「J1リーグ 第23節 浦和レッズvs.川崎フロンターレ」では、川崎側の新型コロナウイルス感染者の影響により、控えメンバーの3選手がゴールキーパーという異常事態での試合開催になっていました。
川崎F 鬼木監督の覚悟
2022年7月30日に「さいたまスタジアム2〇〇2」で行われた「J1リーグ 第12節 川崎フロンターレ vs. 浦和レッズ」。新型コロナウイルス感染者の影響でメンバーが揃えられない中、川崎の鬼木監督は覚悟をもって試合に臨んでいました。
川崎フロンターレの下部組織であるU18は、「第46回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」に出場しており、トップチームに召集することも出来なかったようで、ケガや熱中症のリスクが高まる猛暑の中、登録選手16人で浦和とのアウェイゲームに臨みました。
そして川崎の鬼木監督は試合後のインタビューで、Jリーグ対しての問題提起を訴えています。
「声掛けは難しい状況だった。本当は勝って色々と話したかったが、ルールに沿ってやればこういう形で、人が減ってもやらないといけない。そこに関しては覚悟を持ってやっていこうと。自分たちの2試合が、こういうゴールキーパーもサブに入れる状況でいくと、簡単に延期になることなのかという思いもあった。意図的なものかは別にして、今日のゲームは問題提起になるかもしれない。それでも、全員で力を合わせて勝とう、と。目的は勝つことなので、そこに集中できたと思う。ただ、結果は残念なものになった」
感染対策はもちろんのこと、ぎりぎりの状況で戦っている各Jクラブ。リーグ戦を止めないという前提はあるものの、名古屋グランパスのような不可解な開催中止を決定しているという混乱も生じてしまっています。この先、一体どうなるか?まだまだ新型コロナウイルス対策、厳しい状況のようです。