不振にあえぐチームのシーズン途中での監督交代が行われます。選手たちのパフォーマンスやチームの成績が思わしくない場合、またクラブ内での不和やトラブルなどの理由で、監督およびコーチ陣が交代することがあります。
今シーズンの監督交代について更新して、その後のチームの成績を追っていきます。なおこの記事は、クラブ公式ホームページのリリースをベースに再構成したものです📝
レノファ山口
名塚 善寛 → 中山元気 → フアン エスナイデル
2021シーズン途中の9月29日、渡邉 晋の退任にともない、ヘッドコーチから昇格した「名塚 善寛」監督。その途中就任のシーズンは15位、翌2022シーズンは16位と昇格争いとは程遠い戦いとなりました。
そして迎えた2023シーズンでしたが、14試合を終えて勝ち点14で18位。開幕戦は勝利したものの、一度も連勝することなく下位に低迷していました。ここ7試合勝利なく、第10節の清水エスパルス戦ではホームで6失点の大敗を喫していました。
5月8日、レノファ山口は、名塚善寛監督と石原正康ゼネラルマネージャーが退任することを発表しました。後任は「中山元気」コーチが暫定的に監督を務めるとのことです。
シーズン | 順位 | 今季成績 | 備考 |
2021年 | 15位/22位 | 10勝13分19敗 勝点43 | 第32節より11試合指揮 |
2022年 | 16位/22位 | 13勝11分8敗 勝点50 | |
2023年 | 18位/22位 | 3勝5分6敗 勝点14 | 石原正康GMも退任 |
【5/28更新】
レノファ山口は、アルゼンチン出身の「フアン エスナイデル」が新監督に就任することを発表しました。6月8日よりチームに合流し、練習参加を予定。6月11日のJ2第20節のヴァンフォーレ甲府戦から直接指揮を取ることになるとのこと。
フアン エスナイデルは、2017年から2019年3月までジェフユナイテッド千葉の監督。最初のシーズンとなった2017年のJ2リーグでチームを6位まで押し上げ、J1昇格プレーオフに進出するなど好成績を残しました。
彼はディフェンスラインを高く維持し、前線からボールを奪うという「ハイライン・ハイプレス」という攻撃的な戦術を採用していました。2018年は72ゴールを決めるも72失点で、J2降格後のクラブ最低順位となる14位でシーズン終了。2019年も監督を務めたが、開幕4戦未勝利で3月17日に解任されました。
4年の歳月を経て、再びJリーグへの挑戦をするフアン・エスナイデル監督。彼の手腕がレノファ山口でどのように発揮されるのだろうか。
シーズン | 順位 | 今季成績 | 備考 |
2017年 | 6位/22位 | 20勝8分14敗 勝点68 | J1昇格プレーオフ進出 |
2018年 | 14位/22位 | 16勝7分19敗 勝点55 | 72得点/72失点 |
2019年 | 21位/22位 | 0勝2分2敗 勝点2 | 第4節で途中解任 |
大宮アルディージャ
相馬 直樹→ 原崎 政人
大宮アルディージャは5月19日付けで、「相馬直樹」監督の解任と「原崎政人」ヘッドコーチが新監督に就任すると発表しました。
相馬直樹は、2021シーズンに古巣の鹿島アントラーズの監督を務めました。ザーゴ監督の解任に伴い、2021年4月にコーチから昇格。彼はチームを立て直すことに成功しましたが、リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯のいずれのタイトルを逃しまた。J1では4位に終わり、ACLの出場権も獲得できず、契約満了に伴いシーズン終了で退任。
大会名 | 順位 | 今季成績 | 備考 |
J1 | 4位/20位 | 19勝4分7敗 勝点61 | ACL出場権獲得できず |
YBCルヴァンカップ | 準々決勝敗退 | 3勝3分2敗 勝点12 | |
天皇杯 | ベスト8 | 準々決勝 川崎Fに敗退 |
そして2022年5月26日 大宮アルディージャは「霜田正浩」監督を解任し「相馬直樹」が新監督に招へい。昨シーズンの大宮は開幕から9試合勝利がないなど下位に低迷していたチームの立て直しに期待が寄せられていました。
相馬直樹はシーズン途中から指揮を執った24試合を「6勝8分10敗 勝点26」という成績で、何とかJ2残留を果たしました。そして2023シーズンは新チームの始動から監督を務め、2017年以来となるJ1昇格を目指していました。
第8節までは「4勝0分4敗 勝点12」でプレーオフ圏内の7位につけ、まずまずの序盤戦。しかし第9節でのザスパクサツ群馬に敗れると、チームはそこから6連敗、第16節のいわきFC戦に逆転負けを喫し最下位となり、ついに相馬直樹監督はチームを去ることになりました。
大会名 | 順位 | 今季成績 | 備考 |
J2 | 22位/22位 | 4勝1分11敗 勝点13 | 8試合勝利なく最下位へ |
柏レイソル
ネルシーニョ → 井原 正巳
柏レイソルは、5月17日付で「ネルシーニョ」監督が退任し、「井原 正巳」ヘッドコーチが新監督に就任することが決定したと発表しました。
ついに柏レイソルにとっての「Xデー」がやってきました。今回は2度目となるネルシーニョ監督体制5シーズン目。J1リーグ戦13試合を終えて「2勝5分6敗」で勝ち点11で16位。昨シーズンから16試合勝利なく、今シーズンの初勝利は、4月9日に行われたホーム日立台での第7節 鹿島アントラーズ戦でした。
大会名 | 順位 | 今季成績 | 備考 |
J1 | 16位/18位 | 2勝5分6敗 勝点11 | 開幕6戦勝利なし |
YBCルヴァンカップ | GS 3位 | 1勝1分2敗 勝点5 |
ネルシーニョ監督は今年73才を迎えるサッカー界における名伯楽。Jリーグでの監督経験は、Jリーグ開幕3シーズン目となる1995年にまでさかのぼります。
Jリーグ黎明期、黄金チームだったヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)を率いて、1995年ニコスシリーズを優勝。その手腕を買われ、日本代表監督に内定していたのですが、日本サッカー協会は突如方針転換。それに対する「腐ったミカン」発言により、ヴェルディ川崎の監督も退任した。
その後はブラジルに帰国し複数のクラブ(インテルナシオナル、コリンチャンス、クルゼイロなど)の指揮を執った後、2003年より「名古屋グランパスエイト」の監督に就任したが、成績不振により2005年9月に解任。
2009年7月から柏レイソルの監督に就任し、第1次ネルシーニョ体制がスタート。2010年にはJ2優勝。2011年にはJ1昇格で1年目でリーグ優勝という史上初の快挙を成し遂げました。
2014年で柏レイソルと決別して、2015年からヴィッセル神戸の監督に就任。2016年のセカンドステージでは、チーム最高の2位に押し上げた。しかし2017年8月16日付で成績不振を理由に監督を解任されました。
そしてふたたび2019年から5シーズンぶりに柏レイソルの監督に就任。2019シーズンではチーム2度目となるJ2優勝してJ1へ再昇格させました。
そして2023年は5シーズン目となる第2次ネルシーニョ体制による柏レイソル。そんなのネルシーニョ監督は2022シーズンの年俸「1億5000万円」とも言われているJ最高額年俸の監督です。
昨シーズンのJ1での34試合で「13勝」で7位という成績。1勝あたり1000万円以上も要するというコスパの悪さ。そして今シーズンはたったの「2勝」という結果だったため、この金額でネルシーニョを監督にし続けるわけにはいかなかったのが大きな要因になったなずです。
FC琉球
倉貫一毅 → 喜名 哲裕(暫定)
FC琉球は、5月15日付で「倉貫 一毅」監督との契約を解除を発表。後任が決定するまでの期間、「喜名 哲裕」スポーツダイレクター補佐が監督を務め、暫定的に指揮を執ります。
後任監督につきましては決まり次第に発表するとのこと。
シーズン | 順位 | 今季成績 | 備考 |
2023年 | 17位/22位 | 3勝1分6敗 勝点10 | 2022年のヘッドコーチより昇格 |
清水エスパルス
ゼ リカルド → 秋葉 忠宏
「ゼ リカルド」は、シーズン途中の2022年6月7日に清水エスパルスの監督に就任しました。
一時は11位まで順位を上げましたが、終盤に失速。ゼ リカルド監督が戦ったJ1リーグ戦の18試合では「5勝5分8敗」と勝ち点を伸ばせず、17位となったチームは、J2に降格しました。
昨シーズンに続き、ゼ リカルド監督で迎えた新シーズンの清水エスパルスは、多くの有力選手が残留ことでJ2でのリーグ優勝、昇格候補に名を連ねていました。
しかし開幕から6試合を戦って勝利なく、迎えた第7節のヴァンフォーレ甲府も敗戦。 今シーズン初の連敗となり、昨シーズンからリーグ戦14試合勝ちなしというクラブワースト記録を更新。順位も19位に転落してしまいました。
そして2023年4月3日、クラブは「ゼ リカルド」監督との契約解除、そして後任にはコーチを務めていた「秋葉 忠宏」が新監督に昇格することを発表しました。これで清水エスパルスは5シーズン連続でシーズン途中での監督交代となってしまいました。
前監督 | 順位 | 今季成績 | 備考 |
ゼ リカルド | 19位/22位 | 0勝5分2敗 勝点5 | クレーベル サントスコーチも契約解除 |
秋葉新監督就任から2日後に行われたYBCルヴァンカップの湘南ベルマーレ戦。スタメンを全員入れ替え、アウェイでの一戦に臨んだのですが0-3の大敗。しかし、第8節の東京ヴェルディ戦では、先制を許すも北爪 健吾とオ セフンの逆転勝利を手にしました。
その後の秋葉新監督率いるチームは、J2では4試合負けなしと順調に勝ち点を積み重ね、順位も一気に10位となり、プレーオフ圏内が近づく戦いを続けています。
前監督 | 順位 | チーム成績 | 就任後戦績 | 備考 |
秋葉 忠宏 | 10位/22位 | 3勝6分2敗 勝点15 | 3勝1分0敗 勝点10 | 野口 幸司コーチ新任 |
モンテディオ山形
ピーター クラモフスキー → 渡邉 晋
「ピーター クラモフスキー」は、2021年4月30日、石丸清隆監督の後任としてモンテディオ山形の監督に就任しました。
シーズン途中の就任の2021シーズンは7位、翌2022シーズンは6位となり、3シーズンぶりのJ1参入プレーオフに出場しました。プレーオフでは、ロアッソ熊本に敗れるも昇格への可能性が見えたシーズンとなりました。
そしてクラモフスキー体制3シーズン目となる今シーズンは、2015シーズン以来となるJ1昇格を目指す戦いを繰り広げるはずでしたが、山田康太、半田陸、樺山諒乃介といった将来性のあるタレントらが移籍し、戦力的に厳しい状況で迎えた新シーズンでした。
今シーズンは開幕連勝でスタートしましたが、第3節のジュビロ磐田戦に敗れて以降は連敗が続き、第7節の水戸ホーリーホック戦でチームは5連敗。2023年4月2日付で契約解除されました。
前監督 | 順位 | 今季成績 | 備考 |
ピーター クラモフスキー | 18位/22位 | 2勝0分5敗 勝点6 | クリス ブラッドリーコーチも契約解除 |
4月8日、コーチから昇格した「渡邉 晋」監督体制で臨んだ第8節の大宮アルディージャ戦に敗れ、つづく第9節 栃木SC戦、第10節 ツエーゲン金沢戦でも勝利なく3連敗。
4月22日の第11節の東京ヴェルディ戦で、ようやく就任後初勝利を挙げましたが、いぜんとして厳しい戦いが続いており、順位も21位まで落としています。
前監督 | 順位 | チーム成績 | 就任後戦績 | 備考 |
渡邉 晋 | 21位/22位 | 3勝0分8敗 勝点9 | 1勝0分3敗 勝点3 | トップチームコーチより昇格 |