東京都サッカートーナメント 準決勝
天皇杯予選観戦記@西が丘⚽
2022年4月24日に「味の素フィールド西が丘」行われた「第27回 東京都サッカートーナメント 準決勝」⚽この大会で優勝すると「天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会」に「東京都代表」として本選に出場することが決定します。
社会人系の部を勝ち上がった関東1部リーグ所属の「東京ユナイテッドFC」と「東京23FC」と学生系の部を勝ち上がった関東大学リーグ2部の「立正大学」と同1部の「国士舘大学」がそれぞれ準決勝で激突するという見逃せない試合カードになりました⚽
この日の東京は午後から雨予報、11時30分と14時にキックオフする2試合を観戦する予定なので、雨対策をしっかりと揃えて「味の素フィールド西が丘」に向かいました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で前回大会は無観客での開催だったのですが、今回は有観客での開催とはありがたい限りです。準決勝と決勝用の大会パンフレットが500円で発売されており、貴重な資料として購入しました。
東京ユナイテッドFC vs. 立正大学
⚽東京ユナイテッドFC 1-2 立正大学
🗾味の素フィールド西が丘
🎫310人
東京U:長倉幹樹(22分)
立正:竹村俊二(7分)多田圭佑(90+4分)
準決勝第1試合「東京ユナイテッドFCvs.立正大学」は11時30分にキックオフ。ホームスタンドの立正大学のベンチ近くで観戦。杉田守監督の指示がしっかりと聞こえる位置に陣取りました。前半、左へ攻める立正大学は、左サイドハーフの吉田新(4年=柏U-18)に「あらた、あらた」と何度も指示を出す監督の声が飛んでいました。監督から大きく信頼されている選手のようで、攻守に渡ってアップダウンを繰り返しながら良い感じのクロスボールを前線に送っていました。
そんな立正大学の先制点は、7分に吉田新のクロスを「竹村俊二(4年=近江高)」が決めるという監督が描いていた理想的なカタチでのゴールでした。先制点を許した東京ユナイテッドでしたが22分、順天堂大学出身のルーキーの「長倉幹樹」が同点ゴールを決めます。
その後、膠着する展開で時計の針は進み、1ー1のままで延長戦突入かなと思っていた終了間際に、東京ユナイテッドのベンチが動きます。2人の選手(大野弘遥→荒井大・山崎広大→髙橋和希)を同時に交代。黄大俊監督は延長戦に備えるベンチワークを決断したようです。
選手交代で試合が止まったあと、東京ユナイテッドの選手たちの心にスキマが出来てしまったようです。4分のアディショナルタイムの終わりが見えてきた瞬間、立正大学の「吉野陽翔(2年=栃木U-18)」のラストパスに抜け出した「多田圭佑(2年=矢板中央高)」が劇的な決勝ゴールを決めます。
劇的なゴールに歓喜沸く立正大学とあ然とする東京ユナイテッドの選手たち。そして試合は逆転ゴールがラストプレーとなり試合終了。90分で決着をつけようと一瞬のチャンスをモノにした立正大学が勝利。こちらも大会初となる決勝進出を決めました。
東京23FC vs. 国士舘大学
⚽東京23FC 2-3 国士舘大学
🗾味の素フィールド西が丘
🎫250人
東京23:清水光(4分)オウンゴール(8分)
国士舘:棚橋尭士(PK41分,89分)弓場堅真(73分)
つづく準決勝の第2試合「東京23FCvs.国士舘大学」は、学生チームが劇的な勝利をした余韻が残る同じピッチで、小雨が降り始めた13時30分にキックオフしました。
そして試合は思わぬ展開となります。開始早々の4分「東京23FC」の「清水光」が鮮やかな先制ゴールを決め、つづく8分には「飯島秀教」の強烈なボールがオウンゴールを誘い2点のリードを奪います。
「社会人チームをなめるなよ」と言わんばかりの連続ゴールで、国士舘大学の出鼻をくじきました。しかし41分、国士舘大学の森田礼(3年=実践学園高)が獲得したPKを「棚橋尭士(4年=横浜FMユース)」が落ち着いて決めて、2-1で試合を折り返します。
雨足が強まる中、濡れたピッチに足を取られる選手が続出。両チームの選手たちの体力が奪われていきます。徐々に国士舘大学に押され気味になる東京23FCという時間帯が続きました。すると73分、右サイドでボールを持った国士舘大学の「弓場堅真(4年=浜松開誠館高)」が、左足でのスーパーゴール決めて2-2の同点にします。
そして迎えた後半終了間際の89分、国士舘大学のナンバー10「棚橋尭士」が試合を決めます。濡れたピッチで加速度を増したボールは、初の決勝進出を決める劇的な勝ち越しゴールとなります。開始8分で得た2点のリードを守り切れなかった東京23FC。まさかの準決勝敗退となりました。
【決勝】立正大学 vs. 国士舘大学
東京都代表として天皇杯の本選出場を懸けた準決勝は、「自分たちの実力を示すためにこの舞台で結果を出してやる」といった強い意志を持って戦った大学生の2チーム「立正大学」と「国士舘大学」が決勝に勝ち上がりました。
日本サッカーのトレンドとして大学サッカーで活躍した多くの選手がJクラブへ加入し活躍しています。そんな彼らを多く輩出している大学チームにとっては、将来Jリーグを目指している社会人チームを相手にしても実力差はあまりなく、勝利したとしてもジャイアントキリング感はありませんでした。
これで2大会連続で大学生チームが天皇杯の本戦出場権をかけて決勝で対決することになりました。今回で27回目となる「東京都サッカートーナメント」。決勝で大学チーム同士の対戦となるのは、これで何と11度目。実に40%の確率です。ちなみに前回大会は「駒澤大学」と「法政大学」が対戦して「駒澤大学」が優勝しています。
「立正大学」と「国士舘大学」が対戦する決勝は、2週間後の5月8日に同じスタジアム「味の素フィールド西が丘」で行われます。是非とも東京都代表を決定する瞬間を現地で観戦しましょう!
⏰2022年5月8日(日)14:00KO
⚽立正大学 vs. 国士舘大学
🗾味の素フィールド西が丘
どうした社会人チーム?!
この日の準決勝の2試合は、大学生のチームに敗れた社会人チームに課題が残った試合ではなかったでしょうか。そもそも本来はJFLに参戦している「東京武蔵野ユナイテッドFC」と「クリアソン新宿」が準決勝にコマを進めるはずなのに、その2チームは社会人系の部の決定戦で共に敗退してます。
それほど圧倒的なレベル差あるワケでなく、試合の展開によっては勝てたり負けたりと、各チームが成熟していない気がします。そういったことを考えると準決勝敗退は当然なのかもしれません。
社会人チーム、もっと頑張れよと言いたいところですが、決勝に勝ち上がった大学生チームのいずれかが、東京都代表として天皇杯本選で勝ち上がっていく姿を期待します。それこそ天皇杯最大の魅力ですから。
ラストプレーでの敗戦でうなだれる「東京ユナイテッドFC」と試合直後のピッチ上で大反省会を繰り広げる「東京23FC」の選手たち。何とこの両チーム、この敗戦から1週間後の5月1日に「小石川運動場」で「関東サッカーリーグ1部 前期 東京ユナイテッドFCvs.東京23FC」で対戦します。この日の悔しさを胸にした両チームがどんな試合を見せてくれるのかを期待しようと思います⚽
⏰2022年5月1日(日)18:00KO
⚽東京ユナイテッドFC vs. 東京23FC
🗾小石川運動場(東京都文京区)